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所長就任のご挨拶

投稿者:所長 2017年07月07日

 

 

 6月23日付けで、北九州市立男女共同参画センター・ムーブの所長に就任した柴田邦江です。

 

 ムーブは今年で開所22周年。

 2005年(平成7年)7月の開所以来、男女共同参画のための拠点施設として、市内外を問わず多くの方に愛されてまいりました。

 

 毎年7月には、誕生月を記念して“ムーブフェスタ”が開催されます。

 

 今年のフェスタのテーマは「出会う」。

 「出会いから始まる 明るい未来」をキャッチコピーに、7月8日(土)~7月29日(土)の3週間、ムーブは賑やかな雰囲気に包まれます。

 

 オープニングイベントの有森裕子さん講演会をはじめ、ITとの出会いを体験するイベントやジェンダー問題調査・研究報告会、サマーカーニバル、法律相談など多彩なプログラムが展開されますが、ムーブフェスタの魅力は何と言っても“市民企画事業”。

 

 市民の皆さまが主体的に企画・運営するもので、講演会、ワークショップ、映画、バザーなど、今年も100を超える「楽しみながら勉強できる企画」が目白押しです。

 

 7月は、ムーブが一番賑わう時節。皆さまもぜひムーブへお越しください。

 

 

 

 

退任のご挨拶

投稿者:所長 2017年06月23日

 

 本日6月23日で、北九州市立男女共同参画センター・ムーブ所長を退任いたします。

 ムーブの仕事は私にとっては職業生活最後の仕事で、大変やりがいのある仕事でした。

 

 男女共同参画社会を実現するには、課題はまだまだ沢山あります。世界的にも遅れた女性の活躍、女性が働き続けることの難しさ、いまだに解消されない性別による固定的役割分担意識、女性に対する暴力、男性の意識改革、働き方改革など様々な課題があります。

 

 これまでのムーブが培った財産を活用して、働く女性のサポート、男性の家事・育児、介護の参画推進、DVをはじめとする女性の人権侵害への対応、若い世代のキャリア形成へのサポートなど様々な取り組みを行ってまいりました。

 

 多くの課題がある中で、ムーブで出来ることも限られています。

 でも、小さな課題解決の積み重ねが、社会を変える力があると思って、この5年間を過ごしてきました。

 

 後任の柴田所長にバトンをつなぎます。

 これからもムーブへのご支援とご協力をお願い申し上げます。

 

西本 祥子

 

「政治分野における男女共同参画推進法案」について

投稿者:所長 2017年05月06日

 

 

 皆さん、「政治分野における男女共同参画推進法案」の動きを知っていますか?

 

 4月10日には、クオータ制を推進する会(代表・赤松良子元文部大臣)が開催した院内集会『4月10日 女性参政権行使記念日 パープルに染めて!推進法案成立へ』が開催されました。集会では法案の成立を求める要望書を採択し、与野党役員らへ届けたということ。参加者はその後、国会議事堂周辺をデモ行進「議会を男女均等に」と訴え大いに盛り上がった集会になったと報告されています。

 

 「政治分野における男女共同参画推進法案」については、現在、与野党案が一本化され、衆議院内閣委員長提案としてまとまった段階で、連休あけにも衆議院内閣委員会への提案が実現するかというところです。

 法案は議員立法で、選挙で候補者ができる限り男女均等になることを目指し、政党等に男女別の候補者数の目標を定めるなど、自主的に取り組むよう努めることとしています。

 

 日本の衆議院、参議院の女性議員の現状はというと、衆議院議員475人中女性44人で9.3%、参議院議員242人中女性50人で20.7%です。

 身近な北九州市の市議会議員では、57人中女性は11人19.3%となっています。前回の61人中8人13.1%ですから少し増加しています。

 

 さて、日本は世界の中ではどうでしょうか?

 列国議会同盟では、世界の女性議員の情報を提供していますが、日本の女性議員比率(衆議院)が193ヶ国中163位と、なんとも寂しい状況です。

 このような状況の中、この法案は画期的なことであり、政治分野における男女共同参画の推進について、その基本原則を定めるという意義があります。

 

 議員立法に至るまでには、「クオータ制を推進する会」の長期的な活動があります(詳しくは、ムーブ書誌情報誌カティング・エッジ 2016.6第57号参照 )。じっとしていては、状況は動かない。その影には女性たちの地道な活動があることを忘れてはならないのです。(昨年通常国会で成立できなかった経緯についても同誌を読んでください。)

 

 今回「政治分野における男女共同参画推進法案」が成立すると政治の分野もようやく男女共同参画推進の一歩を踏み出します。法はあくまで努力義務ですが、今後は各党の取組が問われることになります。有権者の私たちの判断材料の一つにしていかなければならないと思います。

 何年か後には、女性議員が少なかったこともあったね、随分変わったね・・・ということになることを願っています。

 

           内閣府男女共同参画局より http://www.gender.go.jp/policy/mieruka/government.html

『知らないって怖い!職場のハラスメント』を発刊しました。

投稿者:所長 2017年04月19日

 

 29年度がスタートしました。

 4月1日付けの人事異動があり、少し落ち着かない毎日です。

 

 

    今回は、昨年度末に完成した『知らないって怖い!職場のハラスメント』をご紹介します。

   この冊子は、平成18年度に発行した冊子『職場におけるセクシュアルハラスメント防止研修』を元に、パワーハラスメントとマタニティハラスメントを追加し、ハラスメントについての理解を深めていただくために作成しました。

 

内容は、

  • 働く人、事業主など、誰が見てもハラスメント問題を理解しやすいように、「セクシュアルハラスメント」「パワーハラスメント」「マタニティハラスメント」の説明、起きる原因、解決策など、できるだけ簡潔にまとめています。

 

  • 実際にあったハラスメント裁判の類似判例をマンガでわかりやすく掲載し、

 

  • チェックシートやハラスメントについて考えるコーナーもあり、研修教材としても活用しやすくなっています。

 

 ハラスメントは「当事者間の問題」だけではなく、周囲の人の労働意欲も低下させ、職場環境を悪化させる「職場全体の問題」です。さらに、企業にとっても、職場秩序の乱れや業務への支障につながり、社会的評価に悪影響を与えかねない問題です。

 

 職場におけるハラスメントを防止し、より良い職場環境を作るために、冊子を活用してください。また、ムーブでは、ハラスメント研修の出前講座も行っていますので、ぜひ、お声かけください。

 

         ​画像をクリックするとホームページでWEBブックをご覧いただけます。

福島のかーちゃん、渡邊とみ子さん

投稿者:所長 2017年03月29日

 

 今月のブログは随分遅くなってしまいました。今回は、先月25日アジア女性交流・研究フォーラムが開催したワールドリポート「女性と防災」のパネリスト渡邊とみ子さんをご紹介します。

 

 これまで、防災に関する情報を取り上げ発信してきましたが、福島のことは気になりつつ取り上げていませんでした。自然災害と原発災害によって4重の被害、震災、津波、原発、風評を被ったという福島の女性たちはどうしているのか。今回ようやく、福島のかーちゃん、渡邊とみ子さんに来ていただくことができました。

 

 渡邊さんは、「かーちゃんの力・プロジェクトふくしま」理事、「いいたて(ゆき)()()かぼちゃプロジェクト協議会」会長をされています。

 「平常時の自分の生き方、暮らし方が災害時に役に立つ」。女性も地域のリーダーとなって地域のことは自分たちで考えていくことであると、渡邊さん自身、震災前から地域のリーダーとして活動されていました。平常時の渡邊さんの生き方が、災害時に役に立ったのだと講演を聴いて納得しました。

 

 渡邊さんを大きく変えたのは、全国の市町村合併です。渡邊さんの住む(いい)(たて)(むら)にも合併の話があり、渡邊さんは合併の任意協議会に飯舘村を代表して参加されました。協議会の委員の女性は渡邊さんひとり、渡邊さんはそのとき、自分の住む村について真剣に考えました。結局、飯舘村は合併せずに小さな村として残る道を選びます。

 

 飯舘村は、「までいライフ」を目標にかかげます。「までい」とは「ゆっくり」「ていねいに」「てまひまかけて」という福島県北部の方言です。

飯舘村は、太平洋からの海風「やませ」が流れ込み、夏には思うように米がとれず、冬になると氷点下15度まで冷え込む寒い地。「安定して栽培できて、おいしいじゃがいもを作りたい」という思いから、イータテベイク研究会が立ち上がり、渡辺さんは会長になります。イータテベイク研究会は、「寒い時期にも出荷できるかぼちゃがあれば、生産者も消費者も助かるのではないか」ということで改良された「いいたて雪っ娘」の栽培も始めます。

 イータテベイクやいいたて雪っ娘は、美味しく、お菓子作りに向いているので、栽培するだけでなく、加工して販売しようと加工施設「までい工房()(さい)恋人(れんと)」を作りカフェスペースも併設しました。

 

 そういうときに原発事故。飯舘村でイータテベイクやいいたて雪っ娘が生産できないことになり、避難先の福島市で育てることになりました。福島市の休耕田で、いいたて雪っ娘の種まきをしました。休耕田は、飯舘村の土と違って、粘土がかたまって、まるでだんごのよう。でも丹精こめて、土を耕やし、いいたて雪っ娘を育てました。その甲斐あって、ごろごろした土にもまけず、育っていってくれました。 

 

 そういう渡邊さんのところに、力強い応援団が現れます。福島大学の先生からの呼びかけで「かーちゃんの力・プロジェクト」が始まりました。渡邊さんは、以前から交流のあったかーちゃんたちを、仮設住宅に足を運び訪ね歩きました。その結果10人ほどのかーちゃんたちが集まってきて、活動拠点「あぶくま茶屋」での活動が始まりました。

 第一弾は「(ゆい)もちプロジェクト」(もち米は、新潟中越地震の被災者からの応援)。泣いていたお母さんに笑顔がもどってきました。せっかくお母さんが笑顔になったのだからやめられない。漬物などの加工品や、いいたて雪っ娘も直売所に出しました。「飯舘」っていうだけで、放射能汚染のマイナスのイメージが強い。食べる人の健康を害することはできない。自分たちの販売する食品は、必ず放射性物質の検査をして、安全性を確認することにしました。「飯舘村の名前を出すなら、とみちゃんの中で、安心安全の基準を決めな」、まわりの人にそういわれ、決めた基準が、国の基準1キロ当たり500ベクレルに対し、20ベクレル以下です。

 

 イータテベイク、いいたて雪っ娘の種をつなぐと同時に渡邊さんは、阿武隈地方の「()み文化」を伝えたいという思いもあります。凍み大根、凍みもち、阿武隈のかーちゃんの食文化も伝えています。

 

 もう5年経ち、助成金が切れたあとの自立の取り組み、そして今度はもうひとつの試練、4月から飯舘村は避難指示解除で、帰村ということになります。戻る人、戻れない人、様々です。渡邊さんは当面福島市で「いいたて雪っ娘」を栽培するそうです。4月から、福島市で生活しながら飯舘村でも、いいたて雪っ娘の実証栽培をしていくということです。

 

 渡邊さんは、「すべての答えは現場にある、何かをやろうとすれば困難にぶつかることもある、何もやらなければ、何も残らないし、何の成長もない。とかくやらないほどりっぱな理由づけをします。あの時、原発を理由に、いいたて雪っ娘を蒔かなかったら今がない。ふるさとを作ってきた先人たち、かーちゃんの歴史に学んで、飯舘に生きてきた、そういう誇りを持って生きていきます。」と言われました。

 震災前から、震災後も、そしてこれからも、地道に、前に進む渡邊さんに福島の希望を感じます。

 

 私の手元には渡邊さんからいただいた『あきらめないことにしたの』という本があります。冒頭に出てくるのが、次の詩です。苦しくても、決して「あきらめない」渡邊さんです。いつかまた、渡邊さんをお訪ねしたいと思っています。

 

 

  沢山悔しい思いをしたよね

  沢山、沢山泣いたよ

  でも、生きてる

  やっぱり止まっては駄目だよ

  どんなに小さな一歩でも前へ進んだら

  ほらね。実ってくれたんだもの

  植物は、こんな状況の中でも

  頑張って生きているんだもの

  だから私は

  あきらめないことにしたの

 

沖畑芙佐子さんのシルクスクリーン

投稿者:所長 2017年02月01日

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 ムーブには、いろいろな方からの寄贈品があります。その中の一つが、沖畑芙佐子さんのシルクスクリーン。ムーブの開所に際し、壁が寂しいのでと飾っていただいたものです。

 4階のエレベーターホールを降りて、フィットネスルームまでの廊下の右側の壁に、沖畑さんのシルクスクリーンの絵を飾っています。

 

 タイトルは、

 「まだら煙突・春一番」

 「まだら煙突・かげろう」

 「まだら煙突・黄砂」

 「まだら煙突・雪舞」

 の4枚の絵で、どの絵にも、3本の赤白のまだら煙突と、春一番、かげろう、黄砂、舞う雪が描かれています。

 すくっと立った3本の煙突が伸びやかで、すがすがしく、また、淡い色合いは、優しい気持ちにさせてくれます。

 場所が小倉日明とありますから、ご自宅のマンションからの景色なのでしょうか。

 

 沖畑さんは、2010年に亡くなられ、そのお別れ会での資料を見ると、二十歳前に、油絵を初め、その後、木版画、孔版画などを手がけ、46歳頃にシルクスクリーンに出会われています。

 

 1981年 スペイン・アンダルシア地方を旅行 翌年が版画集『スペインの空』制作

 1985年 パリよりピレネーを越え、スペイン北部地方を旅行 1987年版画集『続スペインの空』制作

 トルコやエジプトにもスケッチ旅行に行かれ、『トルコ・エジプト風景』や、関門風景などをテーマに個展をされています。

 

 沖畑さんには、もうお会いすることはできませんが、私も一度、お会いしたことがあって、今このムーブの壁を飾る絵を眺めながら、何かご縁を感じています。機会があれば沖畑さんの残された絵を見たいと思っています。

 

 皆さんも、ムーブにいらしたときは、ぜひご覧ください。

 

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新年明けまして、おめでとうございます。

投稿者:所長 2017年01月05日

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 新年明けまして、おめでとうございます。

 早いもので、ムーブの所長になって今年の3月で4年。経験を重ねれば重ねるほど、男女共同参画社会の推進の取り組みは、その分野は幅広く、課題も根深く、なかなか一朝一夕にはいかないという思いを強くしています。

 

 昔、私にこんな風にアドバイスをしてくださった方がいます。

 「壁は押してみなさい。それでもダメなら引いてみなさい。それでもダメなら隙間から入りなさい」と。諦めずに一歩一歩、様々な視点から、課題解決に向けて取り組んでいきたいと思っています。

 

 その一つに、“地域防災と男女共同参画”があります。

 そのため、昨年12月に仙台スタディツアーを実施しました。東日本大震災の経験から男女共同参画について学ぼうというものです。

 

 津波が襲った仙台市沿岸部は、緑豊かに見事に茂っていた松林は、枝もそぎ落とされ、あちらに数本、こちらに一本と、取り残された松のほかは、何もかもを津波が奪って、今は空き地となった土地を工事車両が行き交っていました。

 今は住むことができなくなった場所には、中野地区メモリアル施設や日和山がふるさとの生活の記憶をとどめています。

 現実の姿を見て愕然としましたが、仙台の人々は熱心に、震災の経験を私達に伝えてくださいました。

 

その中でも、

  •  被災時の経験、避難所運営や復興の経験から、意思決定の場への女性の参画が急務であること。そのための女性リーダーの養成が必要であること。
  •  平時にできないことは、災害時にできないこと。平時の地域づくりが重要であること。

を、学んで来ました。

 しっかりと受け止めて、ツアーに参加した方々とともに、北九州市の地域づくりと男女共同参画の推進に生かしたいと思っています。

 

 これからも、様々な課題解決に向けて、職員皆で取り組んで行きます。

 是非、ムーブにお越しください。

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               (写真:仙台スタディツアー・中野地区震災メモリアル施設にて)

11月を振り返って

投稿者:所長 2016年12月01日

 

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  夏のムーブフェスタが終わり秋になると、様々な主催事業がムーブで実施される。今月のブログは、「11月を振り返って」ということで、11月のムーブの様子をお伝えし、日頃のムーブの活動を知っていただきたいと思う。

 

●5日(土)ケアメン教室第4回、19日(土)ケアメン教室最終回 

  9月24日にスタートしたケアメン教室は、19日最終日を迎え、講座を振り返っての意見交換を行った。応募が少なく苦労したが、参加者全員が受講してよかったと評価で一安心。「介護をどう受け止めたらよいのか、語っていかないといけない。」、「実技が為になった」という意見や、「介護するときに、自分の感情がセーブできない」と家族介護の難しさなど、これからも継続して実施していこうと改めて確認できた。

 

●12日(土)内閣府の「女性に対する暴力ゼロ運動」と連動して、特別講座「ストーカーは何を考えているか?」を実施。

  ストーカー事件の報道に接する度に、加害者のことをもっと理解しなければとの思いから、NPOヒューマニティ理事長小早川明子さんの講演が実現した。ストーカー被害者のツイッターへの書き込みからの説明は、①リスク(可能性)から②デンジャー(危険性)、そして③ポイズン(有毒性)とエスカレートする様がリアルに伝わってきた。②デンジャーでは、第三者の介入、③ポイズンでは、ただちに警察の助けを求めるべきと解説。「ストーカーの心理レベルの危険度とその対応」は、ストーカーに関わる対人援助職者にとって重要な内容であった。

  17日(木)は、福岡県弁護士会北九州部会との共催「女性への暴力ゼロホットライン」で、DVなどの電話相談にも応じた。

 

●5日(土)から19日(土)の土日は、女性起業家支援塾

  これから起業を目指す方や、既に起業されている方も含めて16名が参加。チューターのアドバイスを熱心に聴く受講生や、受講生どうしの情報交換もにぎやかで、セミナー室はいつも活気があった。特に事業計画書の作成は大変役に立ったとのこと。

 

●20日(日) 男女共同参画講座「古美術の世界に魅せられて」

  『開運!なんでも鑑定団』でおなじみの安河内眞美さんによる、これまで、女性鑑定士として生きた道についてのお話。ガラスに入っていない実物を見て、手に持ち、その重さやさわった感触で良いものかどうかを感じる。本物偽物の判断の基準は、これまで自分の中にためこんだものが基準になるということだった。「自分の中に溜め込む」、ちょっと気に入った言葉だ。

 

●26日(土)おとこの魅力アップシリーズ「緑茶男子」

  今年度からは「男性の魅力アップシリーズ」をスタートし、男性向け単発講座を拡充。今月は、日本茶の普及と小倉を世界に知ってもらおうと店舗の海外展開を進めている、辻利茶舗店主の辻利之さんが講師の緑茶の魅力を学ぶ講座。男性の皆さんの熱心な姿に圧倒された。

 

  11月は、ムーブ叢書『職場におけるハラスメント(仮)』の防止啓発冊子の作成作業も、まとめの段階に入ってきた。もっと、読みやすい内容にしたいと検討会のメンバーと知恵を絞った。

  

  その他、(公財)アジア女性交流・研究フォーラムの事業も16日(水)は、「KFAW仙台スタディツアー2016~東日本大震災から学ぶ、男女が共に取り組む地域防災~」の事前学習、成果は来年報告書にまとめる予定です。

  26日(土)「第27回アジア女性会議―北九州」では、「“誰一人取り残さない”世界の実現SDGs~(持続可能な開発目標)の達成のために何ができるか」をテーマに、地球レベル、アジア・太平洋レベル、日本、北九州市の視点から、それぞれ各分野で活躍されている方々を迎え実施した。

 

 

  この1ヵ月を振り返り主な事業をご紹介したが、1年を通じて、様々な視点や課題を踏まえ事業を実施している。男女共同参画社会の実現には、一歩一歩地道に、ひとつずつ、継続的に積み重ねていかないといけないと思っている。

 

 

男性の家事参加には妻がキーパーソンか?

投稿者:所長 2016年11月01日

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 先月28日に、内閣府主催の「男女共同参画会議 男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」に参加した。

 ムーブで、男性向け講座を多数実施していることからお声がかかったようである。28日のプレゼンでは、ムーブの「エプロン男子」「片付け男子」などのおとこの魅力アップシリーズ、「ケアメン養成講座」などの男性向け講座のほか、北九州市でこれまで取り組んできたワーク・ライフ・バランスの推進についても説明させていただいた。

 

 さらに、地域性を踏まえての議論として、平成23年度の「北九州市の男女共同参画社会に関する調査」では、「性別による固定的役割分担意識」の解消に向け変化が見られるが、「家庭生活における男女平等達成感」について、平等と思っている割合は、前回(平成17年度)の意識調査から変化がなく、全国の調査の半数には、まだまだ追いついていない状況である。(下グラフ参照)

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 男性向け講座でのアンケートでは、「妻の大変さがわかった」「これから料理や洗濯、アイロンなど家事をするきっかけになった」と多くの方々がおっしゃっている。これまでの家事分担の偏りに気づくとともに、行動に移そうとしている様子がうかがえる。

 

 受講生も、例えば「エプロン男子」では、昨年度までで、延べ528人(実353人)の方々が受講されているので、これを継続して、積み上げていくことで徐々に変化が起こってくるものと期待している。

 

 しかし、家庭生活で平等達成感を感じる妻が増えるにはどうすればいいのかと思っていていたのだが、大変面白い現象に気づいた。

 

 我が家の例で恐縮だが、かつて我が家は3世代の家庭で、夫はな~んにも家事をせずに長らく暮らしてきた。けれども、最近、「隗より始めよ」と、私も一念発起、まず、ゴミ出し(共働きでは夫がする家庭が多いと聞く)、洗濯干しなど、徐々に役割の見直しをしている。その中で、野菜の高騰から、格安で地元の野菜を販売しているお店を見つけたことから、そのお店の近くに行った折には、野菜を買ってきてもらうようにした。

 そんな折、遠隔地で生活している娘からの電話に対する夫の第一声に笑ってしまった。

「そちらでは野菜は高くないのか」と。

 まさに、買い物が彼の生活の一部、自分のものになっていると思った。

 妻が夫に積極的にやってもらわないといけない。これまで、面倒で、私がやった方が早いのであまりアプローチしていなかった。それが、自立していない夫をつくってしまっていると反省しきり。

 ゴミ出しも板についてきて、ゴミ回収日には、起床したら直ちに準備にかかって、家中のゴミを回収して回っている。

 干し方も“しわしわの状態”が少しずつ改善している。

 

子どもの教育といっしょで、やらせてみることが、大変重要であることがわかってきた。どう夫にアプローチするかを考えないといけない。

男性の家事参加は、妻がキーパーソンではないかと思っている。

ハノイ スタディツアーで思ったこと

投稿者:所長 2016年10月05日

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 (公財)アジア女性交流・研究フォーラムの事業で、9月6日(火)から10日(土)まで、ベトナムのハノイを訪問しました。フォーラムでは、アジアのジェンダー関係機関等と、一過性でなく恒常的なネットワークの構築を目指しています。その一環として、ハノイ女性連盟とも交流を続けていますが、今回、ハノイ女性連盟のご協力でこのツアーが実現しました。

 

 今回は特に、女性の視点からベトナムの人々の家族や生活を視察しようということで、ハノイの家庭を、3グループに分かれて訪問しました。

 

 私が訪問したのは、4世代9人家族のクックさんのお宅。最長老のおばあさま、その長男ご夫婦と長女の方が、笑顔で迎えてくださいました。ずっと昔からの知り合いだったかのように、暖かいおもてなしでした。

 

 6代80年続く家族で、壁には、「大家族を幸せにしましょう」、「子どもや孫たちを大切にしましょう」という意味だという家訓が掲示されていて、伝統的家族を守っているし、これからも守って行きたいと、おしゃっていました。他のグループの家族も4世代の家族で、どの家族も家族を大切にされている様子です。

 

 さて、ベトナムでは女性の労働力率が高く、訪問した家庭はどの家族も共働きでした。街中では、路上屋台や食堂、小売店でも多くの働く女性の姿を見かけました。

 

 これらの働く女性を支える制度として、保育園は18ヶ月から3歳児までが入園でき、2歳児から小学校入学までは幼稚園があり、もっと小さな幼児には、小規模保育施設があるそうです。

 なによりも、女性の就労を支えているのは、家族の支えのようです。リタイアした両親が家事や子育てを担ったり、「おしん」といわれるお手伝いさんのいる家庭もあって、現役世代の女性は働きやすくなっています。ハノイでは、それぞれ仕事を持って(持っていた)経済的に自立した個々の家族のメンバーが互いを支えあっているようです。

 

 日本ではどうでしょう。戦後の高度経済成長の中で、「安定的に雇用された男性と家庭責任を担う女性」とう性別役割分業のもとに、近代家族モデル(夫婦とその子どもからなる家族)が生まれました。しかし、現在では、この近代家族モデルが主流ではなく、夫婦二人の家族、単身家族、ひとり親家族も増え、家族形態も多様になってきています。

 これからは、どれか特定の家族形態を標準、望ましい家族像とするのではなく、個人一人ひとりが自立し、対応な関係を保障しつつ、互いを尊重する家族を模索していくことが必要になってきていると思います。今回ハノイの家族を訪問し、お互いが自立し、かつ支え合う家族の姿を見て大いに学ぶことができました。

 

 さらに、羨ましかったのは、夕食は家で食べているのだけど、毎日の食事のうち朝食や昼食を外食する習慣です。家事・育児・介護と仕事との両立とが難しい日本の働く女性のことを考えるとき、ベトナムの外食の習慣は大いに参考になると思いました。

 

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