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「もはや昭和ではない」

投稿者:所長 2023年08月31日

 「もはや戦後ではない」は、戦後の復興期の、急速な経済成長をとげている時に流行った言葉でした。内閣府の令和4年版男女共同参画白書に書かれた「もはや昭和ではない」も、現状の変わりようをきちんと認識できていない状況に対して、上手く言い得たキャッチフレーズだと思います。前者の場合、「もはや」の後は明るい状況なのに対し、後者の「もはや」の後は、課題山積という違いはありますが。

 時代の転換期には、古い価値観に疑問が投げかけられ、人々は新しい生き方を模索する。社会の多くのシステムのベースとなる人間や家族像も違ったものになる。私もかなり長く生きてきたので、過去と対比してこういうことを実感できる年齢になったなあとしみじみ(笑)

 

 昭和の価値観の中で育ち、平成時代前半に子育てをしたワーキング・マザーの私は、男女不平等の経験をそれなりにシェアしていたので、息子たちを「新しい時代を生きるオトコ」として家事もできるように育てたいと思っていました。ところが、自らの手抜きと、子どもの面倒を見てもらっていた私の母の「あー、お祖母ちゃんがやってあげる」に、彼女の機嫌を損じることを恐れて抵抗できず、結局、家事能力のない息子たちを再生産してしまったのでした。「後悔、先に立たず」、とほほ・・ 

 アンコンシャス・バイアス含め、令和5年版男女共同白書がいう「昭和モデル」から「令和モデル」に移行する中で、こういう問題がゴロゴロある(笑)のは間違いないでしょう。

 私自身、内にもっているさまざまな矛盾に、学び実践していくことで対処していきたいと、改めて思います。手始めに、遅まきながら、お盆に帰省した息子たちに包丁を持たせ、料理レッスンをやりました。

 

 さて、今回は、男性の生き方に関する講座などの紹介です。

 ムーブでは、「男性学」を研究分野とする、大妻女子大学人間関係学部准教授の田中俊之さん講演会「男が働かない、いいじゃないか!」を、10月21日(土)13:30~15:00、2階ホールで開催します。

 なかなか挑発的な演題ですね。どんなお話になるんでしょう。楽しみです。もちろん、男性だけでなく、どなたでも参加できます!

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 男性の育児スキル・知識の習得のために、9月30日(土)13:30~15:30、4階工芸室・料理室で「おとこの魅力アップシリーズ 育児男子」を開催します。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 ムーブでは、悩みや不安を誰かに聞いてもらいたい男性のための電話相談も実施しています。

 詳しくは、こちらから

 

 また、女性のエンパワーメント事業の一つとして、10月7日(土)と14日(土)の2回連続で、ともに時間は13:30~16:00、5階大セミナールームにおいて、「女性の政治参画」をテーマとした講座を開催します。海外の事例(映画での紹介含む)や福岡県内での取り組みから、女性の政治参画を考えます。

 ジェンダー・ギャップ指数においても、政治分野は、日本が大変遅れていると指摘されるところです。性別問わず関心のある方はどなたでも、どうぞ奮ってご参加ください。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 

 それでは、次回また。どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

    ムーブ所長 小石 佐織

 

            

たまには、内省的に・・・

投稿者:所長 2023年07月28日

 私が好きなオペラの題材にはシェイクスピア劇からとったものも多く、ここ一年ちょっと、今度は、ロンドンにあるシェイクスピア・グローブ座や彼の出生地ストラトフォード・アポン・エイヴォンで上演されるロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(なんと、理事長は前プリンス・オブ・ウェールズ、つまり・・チャールズ国王!)の公演を観ています。

 

 これが結構厄介。録画は英語字幕のみ。それもエリザベス朝時代(日本は室町時代末期から戦国時代)の英語なので、字幕を読んでもちんぷんかんぷん。仕方がないので、「戯曲の日本語訳本を読んで、台詞や場の流れを頭に入れてから、録画を観る」ことになるんです。シェイクスピアの戯曲は37あり、残すは1つのみ。我ながら、面倒くさいことやってきた~(笑)

 

 どうしてこんな話をしているかというと、16~17世紀のシェイクスピア劇は、今を生きる人たちが自分の人生と関連づけて観られるようにするためか、現代置き換えバージョンで演じられることが多く、その中で、最近は、元々の男性役を女性が演じる置き換えも多くなされていることを、お伝えしたいと思ったからです。

 女性が男性のように演じるのではありません。女性であろうと男性であろうと、その役の劇における要素を演じるというか、うまく言い表せませんが、オリジナル役名の性別にこだわらず、その役柄をストーリーの中でうまく表現できる俳優がやっている、といった感じです。これも、ジェンダー配慮の一つの試みだろうと思います。

 また、多様性を反映して、王侯貴族を扱う劇には、必ず白人でない俳優も起用するルールがあるとか。なので、本来なら女性登場が少ない劇でも、舞台上女性も多く、多様な文化的背景の役者が混在しています。

 

 もちろん、こうしたことにはさまざまな視点から、賛否両論あるでしょう。私も、女性が演じるハムレットには、正直なところ違和感をもちました。ただ、私はこれを見て、諸外国、特に先進国は、ジェンダー意識がこういうところまで来ていることに気づきました。

 総合芸術監督に女性が増えたことも一因かもしれません。昔、中国が市場経済に移行する時、「中間所得層が一定のボリュームに達すると、もう後戻りはできない」議論があったのを思い出します。

 

 6月末に発表された今年のジェンダー・ギャップ指数で、日本はまた順位を落としました。内閣府が公表した男女共同参画白書では、目指すべき社会像を「令和モデル」とし、「昭和モデル」からの脱却を明確に提唱しています。日本も「徐々に」変わってはいるんです。が、世界的なペースに追いつかない。

 覚悟して進める必要があります。ジェンダー・ギャップ指数「先進国最下位」に甘んじることに神経がまひしないように。

 

 さて、ムーブでは、男女共同参画(ジェンダー平等)に関する調査・研究を自主的にしてくださる市民グループや研究者を募集しています。応募締め切りは8月15日(火)です。関心のありそうな方に広めていただけると嬉しいです。

 詳しい内容とお申込みは、こちらからどうぞ

 

 アジア女性交流・研究フォーラムでは、8月10日(木)13:30~16:00、北九州市立大学北方キャンパスで、高校生にジェンダーについて考えてもらうイベント「大学の講義にドキドキ!大学生と語る今どきのジェンダー!」を開催します。申込締め切りは8月4日(金)です。高校生の皆さん、奮ってご参加ください。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 また、9月2日(土)14:00~16:00、ムーブ5階大セミナールーム、故中村哲医師と活動を共にしてきたペシャワール会・PMSの藤田千代子さんによるNGOセミナー「アフガニスタンの大地より」を開催します。中村医師の不屈の思いをDNAに刻むNGOの活動について学んでみませんか。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 

 では次回また。どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

       ムーブ所長   小石 佐織

暑中お見舞い申し上げます!

投稿者:所長 2023年06月30日

 

 夏の盛り、暑さも本番、ムーブフェスタ(7月1日~7月22日)も本番です。

 いよいよ明日、オープニングの平野啓一郎さんの講演会でにぎにぎしく開幕します。イベント準備をしながら、注意は怠らないものの、コロナ禍前の生活に少しずつ戻ってきたことをうれしく感じています。

 ムーブの主催事業だけでなく、このフェスタに向けて、市民やNPOなどが企画工夫した事業の数々は、男女共同参画について知る、楽しく学ぶ、文化に親しむ、味わう、同じ関心の仲間を見つける、お買い物するなどたくさんの楽しみ方がありますので、こちらのリーフレットを確認して、お見逃しなく!

 

 

 さて、ムーブでは、情報誌『ムービング』100号を発行しました。1995年の開所以来、ムーブの事業や男女共同参画の知見・取り組みを紹介してきた冊子も、記念すべき100号を迎え、感無量です。

 巻頭には、3月に行った、着任間もない武内市長と各界で男女共同参画に取り組む方々の特別座談会を掲載しています。ムーブで配布している冊子を手に取っていただくのもよし、ウェブサイトのこちらから見ていただくのもよし。

 

 また9月末まで、1階図書・情報室入った所で、ムービングの第1号から100号までの展示もしています。温故知新、懐かしい記事に出会えます。

 そして、交流広場に、ムーブで記念撮影ができるフォトブース(7月末までの期間限定!)も出現しています。

 ぜひ立ち寄って、ムービングを手に取ってご覧になり、その後は、写真撮影をお楽しみください。

 

 8月4日(金)10:30~11:00には、図書・情報室にて、親子向けに絵本を読み聞かせるおはなし会を開催します。

詳しい内容とお申込みは、こちらから

 

 

 昨年度、3か月試行実施した「ムーブLINE相談」を、今年度も7月から来年3月まで実施します。周囲に、自分の困難な状況について相談することをためらっている方がおられたら、ムーブのさまざまな相談事業とともに、LINE相談があることも教えてあげてください。

 詳しくは、こちらから

 

 アジア女性交流・研究フォーラムでは、5月から6月にかけて、ブータンから、女性と子どもの保護とケアに携わる公務員やNGO職員32人が2グループに分かれて連続で来訪し、ここで2週間ずつ研修を受けました。

 ブータンでは、県ごとに、女性と子どもの保護とケアを担当するフォーカル・ポイント(拠点)ができたけれど、体制はまだまだとのこと。理論はもちろん、実際に、本市で、女性と子どもの保護・ケアを担当する窓口や施設を訪問し、スタッフたちと意見交換したことが大変貴重な経験になったと、研修成果の発表会で皆が口にしていました。

 せっかくなので、研修風景のいくつかを紹介します。

     

 ではまた次回、蒸し暑い夏を、どうぞ、お健やかに乗り切ってください。

 

     ムーブ所長   小石 佐織

7月はムーブフェスタ2023!

投稿者:所長 2023年06月01日

 

 3週間のムーブフェスタ2023(7月1日(土)~22日(土))も、いよいよカウントダウンの段階になってきました。

 1995年のムーブ開所以来、男女共同参画の推進について意識を高めていただくために、毎年開催している開所記念事業です。

 ジェンダー平等も女性活躍推進も、社会全体のあり方が変わらなければ実現できないという意味で、対象=女性ではありません。対象=ALLです。人生100年時代の恩恵を十分活かすためにも、ますます重要性を増すだろうと考えています。

 

 フェスタのオープニングは、7月1日(土)13:30~15:00、本市出身の小説家 平野啓一郎さんの講演会。「個人」より小さな「分人」という単位を使って、アイデンティティやコミュニケーションについて新しい見方を披露してくださいます。予測不可能な社会をどう生きるか、平野さんと一緒に考えてみませんか。

詳しい内容とお申込みは、こちらから。

 

 フェスタの中盤、7月14日(金)19:00~20:30は、ジェンダー問題 調査・研究報告会「女性管理職のキャリア形成-一皮むけた経験を探る-」。公募で選ばれた研究者による、市内企業女性管理職へのインタビューから見えてきた、キャリア形成に関する課題や提言。キャリアを考える女性に参考にしていただくことはもちろん、女性活躍を進めたい企業の経営者・人事担当者にも、示唆に富むお話になりそうです。奮ってご参加ください。

詳しい内容とお申込みは、こちらから。

 

 同じく中盤、7月15日(土)13:00~17:40は、2部構成で、異文化体験・国際交流をキーワードとするイベントを開催。第1部は、ジェンダー研修のため北九州市に来られるアジアやアフリカなどからの行政官と交流するジェンダーカフェ。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから。*1部と2部は、別々にお申込みが必要です。

 第2部は、糸島市を拠点に国内外で活躍するエンターテイメント集団「劇団AFRICA」によるパフォーマンス。北九州市の女性保育士で結成する太鼓グループ「和太鼓もも」がオープニングを飾ります。

 詳しい内容とお申込みは、こちらから。

 

 そして、フィナーレを飾るのは、7月22日(土)10:30~15:40、さまざまなステージが繰り広げられる「サマーカーニバル」。

 休憩時間には、昨年も好評だった「行列のできる!?法律相談Q&A」。クイズ形式で、弁護士らが、法律面から、身近なトラブル解決の糸口を解説します。

 「サマーカーニバル」も「法律相談Q&A」も事前申込みは不要です。

 

・・・と勢いで書いてきて、その前に、フェスタの序奏ともいえる行事があるのをお知らせし忘れていました。

 6月23日(金)~29日(木)は、内閣府が定める「男女共同参画週間」です。テーマは「無くそう思い込み、守ろう個性 みんなでつくる、みんなの未来」。ムーブでは、この期間、入り口のロビー付近に、ジェンダー平等に関するパネルを展示します。立ち寄って見ていただけると嬉しいです。

 

 6月24日(土)13:30~16:30は、「女性のための離婚に関する法律基礎講座」。

お申込みは、こちらからどうぞ。

 また、6月28日(水)10:00~16:00、女性に対する人権侵害に関するさまざまな相談に弁護士が電話で応じるホットラインを開設します。どうぞ、こちらをご覧ください。

 

 男女共同参画週間で序奏・助走しながら、ムーブフェスタへと突入してまいります。フェスタは、たくさんの市民企画事業やフリーマーケットもあるので、リーフレットをご覧になって、何度でもムーブに足をお運びください。お待ちしています~

 

 では、次回また。 どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

 

ムーブ所長 小石 佐織

 

 

      

ゴールデンウィーク!!

投稿者:所長 2023年04月28日

 

 風薫る5月。毎年、この季節は、新緑の濃淡レイヤーに誘われて英彦山の友人を訪ね、そこで人の家の石垣にみごとに茂った濃いピンク色の芝桜を見ては、ホームセンターに寄って鉢植えを買い(庭を持たないため)、そして最後は、毎度、性懲りもなく、枯らしてしまう・・(笑)

 私のゴールデンウィークの定番です。

 

 さて、ムーブでは、7月の「ムーブフェスタ2023」に向けて、中心となる市民企画事業の内容も固まり、スタッフ一同張り切っているところです。応募してくださった皆さま、ありがとうございました。ぜひ、一緒にフェスタを盛り上げていきましょう!

 

 ところで、「イコール・ペイ・デイ=Equal Pay Day(EPD)」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。

 EPDは「女性が、男性の1年分と同じ賃金を手にする日」を意味し、男性が1年間働いて得られる賃金の総額と同額を得るのに、女性は1年を超えて翌年のいつまで働く必要があるか、その同額となる日を示したものです。働く女性の国際ネットワーク組織である国際BPW(Business and Professional Women)が行っている、男女の賃金格差を可視化するための取り組みです。

 

 今年の日本のEPDは、今日(4月28日)だそうです。男性より4か月長く働かないと同じ額の賃金を手にできない。昨年は5月1日で、一昨年は5月6日だったので、少しずつではありますが、改善されてきています。とはいえ、日本のジェンダー・ギャップ指数は、先進国でも最低レベルの世界116位。政治・経済分野の格差解消が大きな課題となっているので、このEPDも、わかりやすい指標だと思います。

 ジェンダー・ギャップ指数の中身をみると、日本は教育の分野では格差がないのに、政治・経済分野で格差が大きいということは、教育のところで投資したことが、その後十分生かされていないということだと思いませんか。もったいない!今後も注視していきましょう。

 

 政治分野と言えば、ムーブでは、5月20日(土)14:00~15:30に、「わたしが始める!わたしサイズの政治参画」と題して、NO YOUTH NO JAPAN 代表 能條桃子さんに登壇いただくイベントを開催します。

 能條さんは、若い世代や女性の政治参加をもっと身近なものにするための活動を積極的に行っている活動家です。昨年、TIME誌の「次世代の100人」にも選ばれ、最近はマスコミ報道でも、その活躍をよく目にしますね。

 政治への無関心は、昨今の投票率の低迷に照らしても、社会全体の課題です。若きも成熟層も女性も男性も、誘い合ってご参加ください。

 詳しい内容とお申込みは、こちらからどうぞ

 

 アジア女性交流・研究フォーラムも夏にかけて、大変忙しい時期を迎えます。5月から6月にかけて、ブータンから、女性と子どもの保護とケアに携わる公務員32人が2グループに分かれて連続で来訪、ここ北九州市で研修を受けます。これは、JICA九州からの委託を受けて、フォーラムが企画し、市役所など関係部署の協力を得て実施するものです。

 コロナ禍が落ち着きを見せ始めたからこそ、実現できる対面プロジェクト。実り多い研修となるように、講師や視察などで協力してくださる方々には、心から感謝申し上げます。

 

 そして、ブータンの次は、同様に、開発途上国のジェンダー平等を進める行政担当官などが来訪し、6月末から7月末まで約1か月間のジェンダー研修。

 女性や子どもの課題は、国により程度の差はあれ共通する部分も多く、参加国の重要なポストを担う研修生たちとの情報交換も楽しみです。

 

 5月30日(火)14:00~15:30には、3月にニューヨークで開催された「第67回国連女性の地位委員会」の内容をわかりやすく説明するセミナーを開催します。ジェンダー平等を進めるために、国際社会との連携は不可欠です。このセミナーで国際基準の最新情報をぜひ仕入れてください。

 詳しい内容とお申込みは、こちらからどうぞ

 

 それでは、楽しい飛び石連休を!

 どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

       ムーブ所長 小石 佐織

 


春だ、身体を動かそう!

投稿者:所長 2023年03月31日

 

 令和5年度のスタート。毎年4月1日には、人事異動などもあって、「今日は昨日の続きだけれど、年度が変わって何か違うものになったような新たな気分になる」から、不思議です。入学や引っ越しなどで新しい生活を始める皆さま、新生活でのご健闘をお祈りいたします。

 ムーブでは、今年度も、女性のエンパワーメントのための講座、(再)就職のためのパソコンや介護、医療事務の講座、健康支援、男性の生活スキルを高める講座など、盛りだくさんに用意しております。

 ウェブサイトがスマホ対応にもなったので、時々チェックして、奮ってご参加ください。

 

 暖かさとともに身軽な服装になってきて、身体を動かしたい!と思いませんか。

 ムーブには、フィットネスルームもあります(有料)。インストラクターが常駐しているので、相談しながら、トレーニング・マシーンを使ったり、ストレッチしたりができます。大型ミラーがあるので、ヨガやダンスの練習にも使えます。ただし、利用できる日と時間帯は、事前に必ずチェックしてくださいね。

 利用方法など、詳しくは、こちらからどうぞ

 

 さて、ムーブでは、男性の育休取得を応援するため啓発冊子『産休・育休取得者だけの問題じゃない!パパの子育て応援NAVI』を発行しました。ジェンダー平等の推進にあたっては、先進国の中でも、家事に費やす時間が短い日本男性の家事参画も、重要な課題。

 冊子は、希望された北九州イクボス同盟の加盟企業などには配布していますが、ムーブでも配布しています。また、ウェブサイトからもご覧いただけますので、こちらから、どうぞ

 

 アジア女性交流・研究フォーラム(KFAW)では、4月22日(土)14:00-16:00、KFAWアジアジェンダー研究者ネットワークセミナー「ヘジャーブをめぐるポリティックス-ヴェールは何を表象しているのか」を開催します。講師は、鹿児島大学グローバルセンター特任准教授の森田豊子さん。

 ヘジャーブは、カタールであった2022サッカーW杯をめぐっても大きな話題になりました。中東イスラーム地域、特にイラン地域を研究されている講師が、実体験を交えてお話してくださるので、とても楽しみにしているところです。

 会場での参加、またはオンラインでの視聴(Zoom)ができます。

 詳細とお申込みは、こちらから

 

 KFAWのオンライン情報誌”Asian Breeze”の第95号も発行されました。今回は、インドネシアとインドでそれぞれ活動している日本のNPOからの報告。ジェンダー問題に起因して、若者や子どもたちが直面する課題とその対策に関する報告です。

 閲覧は、こちらからどうぞ

 

 身体を動かすと言えば、私も一時期、週末ごとにフィットネス・ジムに通ったことがあります。なので、運動オンチでも、汗をかいた後の爽快感は知っています。最近また、“人生100年時代”において、今の自分の最優先事項は適度な運動じゃないかと思い始めました。

 ジム通いをしていたある日、エアロビクス運動が終わってスタジオから出てみると、周りが騒然としています。「大きな地震だよ」。2005年3月20日の福岡県西方沖地震でした。エアロビクスで“揺れていた私”は、地震の揺れに気づいていなくて、あぜん。その数日後、仕事で、福岡市中央区のある事務所を訪ねた時に、大名近辺の道路の被害を見て、さらにあぜん。

 ・・・災害への備えの大切さを、思い出しました。

 

 それでは、次回また。 どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

ムーブ所長 小石 佐織

 

      

 

ユーミン“卒業写真”の感傷をよそに

投稿者:所長 2023年02月28日

 3月は、卒業や転勤(リモートワークで減った?)の季節。

 つらい別れも、それに続く新たな出会いの予感とともに、人生のビタースイート・・と、感傷に浸っている場合ではない! 職場の現実は、どこも、年度末のバタバタです。

 

 その多忙の中、ムーブのスタッフが丹精込めて作った「ムービング99号」が発行されました。ムーブが実施した事業の様子や関係者の紹介、興味をもっていただけそうなジェンダー関連書籍の紹介など盛りだくさんで、多くの方に見ていただきたい内容です。こちらから、どうぞ、ご覧ください。

 また、ジェンダーに関する海外情報は、アジア女性交流・研究フォーラム(KFAW)の“Asian Breeze”で。最新号は、エジプトとガーナからの情報です。こちらから、どうぞ。

 

 さて、3月8日は、国連(ニューヨーク本部)が定める「国際女性デー」です。

近年は、日本でも、この日に合わせて首相や女性活躍推進担当大臣がメッセージを出しているので、ご存知の方も多いかもしれませんが、始まりは意外と古く、1975年の国連総会で決まりました。

 今年のテーマは「DigitALL :ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー」。英語を日本語にした私の勝手な訳ですが、最初のDigitALLは、デジタルとオールを組み合わせた造語?、「すべてをデジタルに」とか「すべての人のためのデジタル」と解釈していいのかもしれません。

 この日は、革新的なテクノロジーやデジタル教育を推進している女性と少女を表彰し、デジタルの世界で起こるジェンダー不平等について考察する行事が予定されています。

 

 国際女性デーに続いて、2週間、「国連女性の地位委員会」が開催されます。

 この委員会は、政治・市民・社会・教育分野等における女性の地位向上に関して、勧告・報告・提案等を行う機関。こちらも、国際女性デーと連動して、今年の優先テーマは「ジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成のためのデジタル時代における革新、技術変革及び教育」です。

 デジタル含めあらゆる分野で、ジェンダーを意識した事業・対策がなされていくことは、大変重要な視点だと思います。

 

 それでは、ニューヨークから北九州市に戻って(笑)・・・

 JICA海外協力隊経験者が赴任国の様子を報告する「KFAWランチタイムトーク」3回シリーズ、第1回(ラオス)、第2回(タイ)と楽しんでいただいたでしょうか。

 第3回目は、3月15日(水)12:10~12:40、トンガ王国に環境教育隊員として赴任していた内野里香さんのお話(オンライン視聴)です。どうぞ、ご期待ください。

 お申込みは、こちらから。

 

 ブロードキャスター(元々は、ディスクジョッキーからスタート)のピーター・バラカンさんによると、人は一般的に、10代から20代半ばまでに馴染んだ曲のスタイル(主にリズム)が、生涯を通じて一番心地よいと感じるそうです。私の場合は、井上陽水、見出しにも書いた松任谷由実、甲斐バンド、佐野元春etc.・・

 いかん。物思いにふけっている暇はない。仕事!

 

 それでは、次回また。 どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

ムーブ所長 小石 佐織

 

春はすぐそこ

投稿者:所長 2023年01月31日

 

 

 「節分が来て、春分の日を迎えると春はすぐそこ」が、私の子ども時代の感覚でした。地球温暖化で暖かくなるのも少しずつ前倒しになっていますが、この「春が来る」ワクワク感は格別で、肌に触れる空気はつーんと冷たくても、その先に春の足音。しばらく私の好きな季節が続きます。

 

 さて、ムーブでは、このワクワク感とともに、7月の「ムーブフェスタ2023」に向けて実行委員会が動き始めました。ご存知の方も多いと思いますが、このフェスタの中心となる「市民企画事業」の募集も始めました。

 詳しくは、こちらから

 

 また、継続事業として、働く女性向け講座や健康関連講座、男性向け生活スキル講座なども実施しているところです。

 今日はその1つ、2月25日(土)14:00-16:00に開催の「男性のためのアンガーマネジメント」講座をご紹介します。

 アンガー(anger)とは怒りという意味で、自分の中にある「イライラ・モヤモヤとのつきあい方と伝え方」を学ぶ講座です。過去に実施した際に男性の参加者が少なかったので、今回は、男性が参加しやすいように「男性のための」と銘打って実施します。人間関係やプレッシャーなどからくるイライラ・モヤモヤの対処方法を考えてみませんか。会社で人事を担当する方も、業務のご参考に、参加してみませんか。講師は、公認心理師・臨床心理士の新開よしこさんです。

 お申し込みは、こちらから

 

 ムーブは、ジェンダー平等に向けた若者の活躍に期待しており(個人的には、若者=春⁇ 笑)、(公財)アジア女性交流・研究フォーラム(KFAW)と協働で、希望する市内の大学に赴いて「大学生のためのキャリア形成プログラム」を実施しています。今年度は4つの大学で計9回実施しました。

 

 

 次に、KFAWの新しい事業「KFAWランチタイムト-ク」をご紹介します。

 JICA九州にご協力いただき、1月から3回シリーズで、JICA海外協力隊経験者に、赴任した国のジェンダー課題、活動エピソード、文化・暮らしなどを、ランチタイムに30分、オンライン(zoom)で語っていただくイベントを実施しています。毎回、違うゲストをお迎えします。

 第2回目は、2月20日(月)12:10-12:40、2017年から2019年にかけて、タイ北部チェンライ県に赴任していた方のお話です。

 お申し込みは、こちらから

 

 KFAWでは、客員研究員(上智大学アジア文化研究所客員所員 金澤真美さん)による2021/22研究の報告会を、2月18日(土)14:00-15:15、オンライン(zoom)またはムーブでの映像視聴で開催します。テーマは、「COVID-19による障害女性の日常生活への影響-バングラデシュを事例として-」です。

 お申し込みは、こちらから

 

 春といえば、北九州市とカンボジア・プノンペン都が姉妹都市を締結した時、その事業に携わっていました。北九州市で行う締結式にプノンペン都知事ご夫妻が来られることになったのですが、3月末の日程で、ご夫妻は桜を見ることを大変楽しみにされていたので、担当者と毎日、桜前線の動きに一喜一憂していたのを思い出します。

 その結果は・・・、七分咲きくらいにはなってくれたので、よかった~、でした。

 

 それでは、次回また。 どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

 

ムーブ所長 小石 佐織

 

             

2023 謹賀新年 Peace Peace Peace!! 

投稿者:所長 2023年01月01日

 

 

 初春のお慶びを申し上げます。

 新年が、今これを見てくださっているお一人おひとりにとって、輝かしく実り多い年となりますようお祈りいたします。

 併せて、本年も、市立男女共同参画センター・ムーブの活動に、ご協力とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 私は、除夜の鐘とともに、古いもの(煩悩)をはらい心穏やかに新年に移るというメンタリティがけっこう好きです。ご都合主義でしょうか(笑)

 でも、そうやって心を切り替えていくことも、人生に向き合うには必要なことかもしれませんよね。

 

 古いものと新しいもの、職業生活も終わりに近づいてきた私(1980年代にキャリアスタート)が、ジェンダーの点で、つれづれに振り返ると・・

女性によるお茶くみ(来客だけでなく上司・同僚にも)  基本的に消滅

-誰の湯飲みか覚えるのが大変だったぁ、その度に仕事が中断され非効率

任される仕事が限られていた(経理や庶務など)  女性の職域・責任拡大

-そういえば、タクシーやバス運転手に女性はいなかったし、JRの車内放送も男性の声だけだったような気が…

土曜日は午前勤務 完全週休2日制  ワーク・ライフ・バランス

-労働時間投入で発展した成功モデルは、今や崩壊

残業で仕事をこなすモーレツ男性評価    効率よく働いて成果を出すスマート評価

-私の場合、タイム・マネジメントは子育て期(大昔)からメインの関心事

片働き主流 共働き主流

-通勤時間の電車待ちの列に、昔は女性が少なかった気がする

(海外編)私の好きな世界3大オーケストラも、指揮者も、男性のみ

 男女混合、指揮者に女性を見ることが増えてきた

-昔のビデオを観ると、オケはまさにボーイズクラブ。女性がいないことを理由にウィーン・フィルとの共演を拒否していたピアニストが、数年前、初めて共演を果たしたことが話題に。ベルリン・フィルの指揮者の助手を務める、日本人指揮者沖澤のどかさんは、子育て中。インタビューに答えて、マルチタスクの生活は、指揮というさまざまな要素からオケをまとめる能力の向上に役立つはずと。

 ・・・と、とりとめなく、どんどん思い出してしまうのですが、煩悩の話から流れるには、比較が古すぎますか(笑)

 確かに、日本も変わってきました。それでも、世界基準に全然追いつかないから、日本の昨年のジェンダーギャップ指数は、世界146か国中、116位。主な理由は、政治、経済分野での女性参画が極端に低いからです。これは、日本のSDGs 達成度においても大きく足を引っ張っています。

 『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』などの著者で知られるロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授は、この状況は「ジャパン・ブランドにとって大変よくない」と言われました。どうにかせんなあかん!

 

 また、日頃から弱い立場にある女性が、日本においても、コロナ禍や、長引くウクライナ侵攻による経済低迷などの危機的状況の中で、一番影響を受けて困難に陥っているケースが報告されています。

 

 こうした状況を踏まえ、ムーブも、微力ながら、ジェンダー平等(男女共同参画)と女性活躍を進める施設としての使命を果たすべく、今年も、スタッフ一丸となって励んでまいります。

 

 それでは、次回また、どうぞ、お健やかにお過ごしください。

 

 

ムーブ所長 小石 佐織

メンターも慌ただしい一年の締めくくり

投稿者:所長 2022年11月30日

 

 

 一年経つのがなんと早いこと!もう師走(しわす、12月)。

 師(メンター)と仰がれる高徳の人ですら一年の帳尻合わせに走る月だから、いわんや凡人たる私は・・と言い訳しながら〇十年。今年も慌ただしい年の瀬がやってきました。

 

 とはいえ、周りの雰囲気に飲み込まれず、敢えて気持ちを落ち着けて、日頃あまりご紹介する機会がないムーブ&アジア女性交流・研究フォーラムの事業など振り返ってみたいと思います。

 

 

 ムーブは開館から27年目を迎えていますが、それでも、「ムーブにこんなホールがあるなんて知らなかった」と言われる方にお会いすることがあります。同様に、皆さま、ムーブに図書室があることはご存知ですよね(笑)

 広い意味でのジェンダー関連書籍を中心に約56,000冊を有しており、他の市立図書館と同じシステム(ネット予約含む)で貸し出しを行っていますので、ぜひご活用ください。

 この図書室では、年2回、幼児向けの「おはなし会」(絵本の読み聞かせ)も催しています。ホームページやフェイスブックインスタグラムでご案内しているので、チェックしてくださいね。また、ムーブメールにご登録いただくと、情報が自動的に届きます。

 

 ムーブ事業の大事なポイントの一つが女性の就業を支援することです。DX(デジタル・トランスフォーメーション)がますます進む中、ITスキルは仕事をするのに不可欠です。ムーブでは、毎年度、さまざまなレベルのパソコン講座を実施しているので(有料)、ホームページをチェックして、ぜひご活用ください。

 また、パソコンの操作を自習するためOAルームの個人利用(有料)は、男女を問わず可能です。

 

 ジェンダー平等を進めるために、料理、育児、介護など男性向けの生活技術講座(材料費など有料)も開催しています。実際に参加した方からは、どれも好評をいただいていますが、参加する最初の一歩に、少し抵抗があるかもしれません。人生100年時代、「男らしさ」のアンコンシャス・バイアスに縛られるのはもったいない。本当の自立を目指して、チャレンジしませんか。

 

 アジア女性交流・研究フォーラムでは、JICA九州から委託を受けて、6月と11月の2回、開発途上国の行政官に、それぞれ約1か月にわたる「ジェンダー主流化(*注)」研修を行いました。コロナ禍のためオンライン研修となっていますが、今年は、ガーナ、ケニア、ザンビア、マラウイ、パキスタン、スリランカ、ブータンから14名の行政官が参加し、熱心に勉強されました。オンラインといえども、時差の問題があって、担当者も生出演の講師も、研修期間中は、Night Owl(ふくろうのこと、夜型人間)になって奮闘しました。

 ちなみに、私も一コマ、ムーブとフォーラムの事業を30分枠で説明したのですが、ビデオ撮影にしてもらって、時差の問題はクリア。ただし、すっかり錆びついた英語筋肉の活性化は、ゆゆしき課題でした(苦)。

 

 最後に、年末の行事を一つ紹介します。

 フォーラムが事務局を務める「国連ウィメン日本協会北九州」が、12月11日(日)14:00~15:30、講演会「女性・少女の人権を守るために私たちに何ができるか」を開催します。講師は、北九州市立大学法学部教授・副学長の二宮正人さんです。会場(ムーブ5階大セミナールーム)または、オンライン参加を受け付けています。詳しくは、こちらをどうぞ

 

 それでは、年の瀬、どうぞ、お健やかにお過ごしください。そして、良いお年を!

 

*注)「ジェンダー主流化」とは、

あらゆる取り組みにおいて常にジェンダー平等とジェンダーの視点を確保し施策や事業に反映していくこと。

 

ムーブ所長 小石 佐織